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文学刑事サーズデイ・ネクスト3 [書籍]

文学刑事サーズデイ・ネクスト 3 上 (3)

文学刑事サーズデイ・ネクスト 3 上 (3)

  • 作者: ジャスパー・フォード
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 単行本


文学刑事サーズデイ・ネクスト 3 下 (3)

文学刑事サーズデイ・ネクスト 3 下 (3)

  • 作者: ジャスパー・フォード
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 単行本

文学刑事サーズデイ・ネクスト3 上、下
ジャスパー・フォード 田村源二訳 ヴィレッジブックス

娯楽が文学しかないパラレルな世界で、文学界に混乱を巻き起こす組織を取り締まるため、ときには小説の中に入り込み、作中人物と組んで悪党に立ち向かう女刑事の物語。
結果、名作小説のストーリーに今までなかったエピソードが追加される。

1、2巻で刑事サーズデイは、ディケンズの『大いなる遺産』から永遠の花嫁ミス・ハヴィシャムを連れ出し、ブロンテの『ジェイン・エア』の中で誘拐犯とひと騒動を起こし物語の結末を変えてしまい、ポーの『大鴉』に入り込んで派手な死闘を繰り広げ勝利するが、代償に愛する夫を失う。

今回はすべての小説を管轄する組織、ブック・ワールドに入り込む。
ブックジャンパー、ミス・ハヴィシャムはマクベス三婆の押し売りに耐え、『嵐が丘』
の脇役たちのストレス解消セラピーにつきあい、誤植ウイルス撃退に奔走するうち、
どうやら小説OSのアップグレードをめぐる陰謀が進行していることに気づく。
この世界、退屈な小説は委員会によって読むに値しない本と判断され即、印字が解体され、テキスト海に捨てられる。
このままでは型にはまった小説だけが量産され、文学世界が破壊されてしまう。

怪鳥"綴りまちがいウイルス"が飛び交うブック・ワールド。妙な文字変換の会話がはじまり、誤植満載である。不条理な会話はボケの応酬のようでもあり、痛快なのだが物語全体はなにも進展してないように見える。副題が「だれがゴドーを殺したの?」なのである。

綴りまちがいウイルスに襲われると、オウム(parrot)も途中から人参(carrot)に変わる。
そんな絵も具体的に描くのだった。今回のイチ押しキャラは、花柄エプロン一枚のブラッドショー夫人か。


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